2012年10月28日

第146回 天皇賞・秋――天覧競馬


ミルコ・デムーロ騎手、格好良すぎでしょう……


七年ぶりの天覧競馬となった第146回 天皇賞・秋。
いつも逃げを打ってレースを引き締めるシルポートが、今日も果敢に飛ばして馬群を引き離す。二番手を行く三歳馬、無敗のG1馬・カレンブラックヒルを大きく引き離したまま、直線まで悠々の一人旅。
東京のターフは昨日から逃げ馬が活躍していた。
シルポートは直線に入ってなお後続を引き離している。
この馬は簡単にはバテない。逃げ切りでG2を制してきている。
あわや逃げ切りか? そんなイメージも思い浮かぶ。
大歓声が沸きあがる中、そこに、二番手を追走していたカレンブラックヒルが足を伸ばしてくる。
三番手にいたダイワファルコンと併せるようにして、しかし脚色よくシルポートを捕らえにかかる。
カレンブラックヒルは前走、毎日王冠で同じように逃げたシルポートを捕らえ、かわして優勝した。
今回もそうなるか?
いや、外から伸びてくる馬がいる。
カレンブラックヒルと同じ三歳馬にして、今年のダービー二着馬――それもほんの少しで惜敗した実力馬、フェノーメノ!
東京巧者でもあるフェノーメノは自慢の末脚を繰り出してカレンブラックヒルもシルポートも追い抜こうとする。
その勢い、追い抜くだろう。
さらに後ろからは古馬の意地、自身もまた東京巧者であるダークシャドウが追いかけてくる。今年の香港で海外G1を制覇し、宝塚記念でも二着したルーラーシップも追い込んでくる。
そこに! 一頭だけ最内ラチ沿いを切れ味鋭く切り込んでくるものが!
黒鹿毛の馬体、一昨年のダービー馬・エイシンフラッシュ!
鞍上は東日本大震災直後、ヴィクトワールピサと共にドバイの栄冠を日本に送り届けてくれたミルコ・デムーロ!

あっという間に先頭に立ったエイシンフラッシュは、鞍上の鞭に応えてそのままゴール板を駆け抜ける。
その美しさ……
ダービー後、二年半勝利なく、苦杯を舐め続けていた馬の劇的な勝利。

美しいレースの後、涙ぐみながらのウイニングランを見せたデムーロ騎手は馬場に下り、天皇皇后両陛下へ向けて右膝を突き、最敬礼をする。
欧州はイタリアの名手。
騎士の姿が重なる、その光景。


ミルコ・デムーロ騎手、格好良すぎでしょう!


素晴らしいものを観ました。
ああ、いいレース、いい余韻。






ちなみに、写真などで、最敬礼するデムーロ騎手の傍らにいる赤服の女性は係員。
本来あの場所はまだ規則で下馬してはいけない場所で、加えてそのようなところで騎手が下馬するのは馬体に故障が発生したことを伺わせるので、係員がサポートのために駆け寄るのは当然のことでした。しかし彼女は直後に事態を理解して、一歩下がっている。前回の天覧競馬では馬上での最敬礼だったため(この馬上、下馬の差は日欧の文化の差ですね)、彼女にもそのイメージもあったでしょうから、おそらく不意を突かれて戸惑ったことと思います。が、その場で余計な手出しをすることは控えたので、自分の役目の中で最大限の配慮をされていました。なので絵的には邪魔かもしれないけれど、むしろGoodJob。
この後には再びデムーロ騎手が騎乗することを手助けしていたので(騎手は一人では馬に乗らない。必ず介助がつく)、ちゃんと仕事をされた方でした。


それから、敬礼後に馬上でデムーロ騎手がやってた飛行機ポーズには、以前レース中ゴールの際にこれをして怒られたという曰くがあったりします。いつのことだったか調べてたら、今年も海外でやって騎乗停止の制裁食らってました(笑)
posted by 楽遊 at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2011年11月13日

Snow Fairy

スノーフェアリー。


去年のエリザベス女王杯でも度肝を抜かれたけど、今年のエリザベス女王杯でもまた……いや去年以上に度肝を抜かれた。

シンメイフジが大逃げを打って、道中、「あれ? いつの間にか内にいる」――と思って。
けれど最終コーナーを回って直線で前を向いた時には「いや、これは届かないだろう」と絶望的な位置を見る。
シンメイフジはペースに反してそうそうバテずに逃げ続けている。
が、逃げ切れはしないだろう。
後を追ってくるホエールキャプチャ、アヴェンチュラ、アパパネのいずれかに捕まるだろう。
勝ち馬はこの三頭の……と思って。

そうしたら内に潜り込んでいたスノーフェアリー。

一頭だけ違う足色で馬群を縫って前進してくる。

見る間に先頭との距離を縮めてくる。

シンメイフジを捕まえ優勝争いを演じる先行集団に一気に迫る。迫ったかと思ったら、女王の冠に手をかけようとしていたはずのアヴェンチュラの、アパパネの、ホエールキャプチャの間を、追いついたその瞬間にも――ラストスパートの最後の最後にあってもさらに加速した!? 一気に突き抜ける!!

素晴らしい末脚。
世界トップクラスの豪脚。

鞍上のムーア騎手の手綱捌き、コース取りも素晴らしく。
人馬一体のアクションは凄まじいほどの美しさ。

あんまり強くて。
あんまり凄くて。
痺れた。
知らず拍手が出る。
感動より先に笑ってしまった。
笑いながら、深く感動していた。
「もう笑うしかない強さ」
それをテレビの画面越しとはいえ、リアルタイムで見られた幸せ。


雪の妖精。

スノーフェアリー。

雪と言うより、ありゃ吹雪だ。



(レースはJRAのサイト。「レース結果」2011/11/13 京都11Rから観られます)
posted by 楽遊 at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2010年10月24日

第71回菊花賞

今日の菊花賞。


ビッグウィーク勝ったーーー!!
うわーーーい!!


いやね、僕が競馬に興味を持ったのはディープインパクトの三冠の年。
そして競馬――競走馬そのものの魅力に惚れたのが、その年の第25回ジャパンカップを走ったバゴという凱旋門賞馬だったんです。
たまたまそのジャパンカップの公開調教を見る機会がありまして。
そこでバゴの駆ける姿を見たんです。
静かな競馬場のターフやダートに、蹄鉄が打ちつけられる重い音。
重厚なその足音に比べて、疾走するその姿は軽やかで。
近くを通り過ぎていく時の息遣いは、確かに蹄鉄の音に負けずに力強く。
美しい。

僕の競馬への価値観が変わったのは、この日この時でした。
今出馬表を見直せば、アルカセット、ハーツクライ、ゼンノロブロイ、リンカーン、ウィジャボードの順で並ぶ掲示板の名に、あのレースにはこんなにも人に語られる名馬が出ていたのかと驚くんですが、テレビで観たジャパンカップはバゴの姿だけを追ってました。

バゴの結果は8着。

その後、引退。
日本で種牡馬となることが決定していました。

現在、掲示板に並ぶ牡馬は皆、種牡馬となっています(ウィジャボードは牝馬)。
第25回ジャパンカップは終わったけれど、舞台を変えて、種牡馬としての競走を続けています。
ハーツクライとリンカーンは今年から初年度産駒が走り出しました。
アルカセット、ゼンノロブロイの産駒は既に昨年から。
上位馬の後塵を拝したバゴも、昨年から。
ゼンノロブロイは今年の五月、サンテミリオンの、アパパネ(父キングカメハメハ)との歴史に残る同着によるオークス戴冠によって、一足早くクラシックを得た種牡馬となりました。

バゴの産駒は、オウケンサクラが牝馬クラシックを駆け抜けました。
惜しくも戴冠はならなかったけど、クラシック最高着順の桜花賞は2着。牝馬三冠を成し遂げたアパパネは強かったけど、でも、惜しかった!

産駒がさほど多くない中、バゴの産駒はサンデーサイレンス系と言われる種牡馬たちに比べて地味ながらも、けれど着実に勝ち馬を出していました。

その中で、今年の7月にようやっと未勝利を脱出したビッグウィーク。

バゴ産駒の中、頭が高い走りながらも好走するこの馬を気にかけてまして。
夏、怒涛の三連勝で最後のクラシック一冠、菊花賞を狙える位置まで駆け上がってくるのを見て、密かに期待していました。

もしかしたら……?

菊花賞の優先出走権を得られる神戸新聞杯にて、新たな心境地を見せるレースっぷりで3着に飛び込み、菊花賞優先権を取得。
しかし、正直、このレースを勝ったローズキングダムとの勝負付けはされた気にもなりました。

けれど、菊花賞は3000mの長丁場。

父バゴは日本競馬に比べてスタミナや底力などを必要とされると言われる(日本は瞬発力のスピードが必要とよく言われる)凱旋門を勝利した馬。

もしかしたら?

産駒の多くはわりと短・中距離で活躍しているという懸念もありましたが、期待はあったんです。
自信はないけど、でも面白いと思えるくらいの期待が。


3000m最後の直線。

三番手から堂々と抜け出し、逃げたコスモラピュタを捕らえて先頭に踊り出る単騎――ビッグウィーク!

思わず声が出ましたもの。
テレビの前で。そのまま、勝て、勝て!
後ろから一番人気の、神戸新聞杯を勝ったローズキングダムが猛追してくるけど……大丈夫、届かない、そのまま行けば……ッ!




ビッグウィーク、そして鞍上の川田騎手。
お見事でした。
優勝おめでとうございます。



レースについては色々語られるだろうけど、ただ一つ、この馬と鞍上は強かった。



ああ……

嬉しい。


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逆光かつゼッケンがめくれて名前が見えないけど、馬具と帽子の色を明るさ変更して確認したところ、これがバゴのはず。

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左がウィジャボード。右が優勝馬のアルカセット。
posted by 楽遊 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2009年08月26日

ロジック

贔屓のお馬さん、ロジック。

右前浅屈腱炎のため、引退(;;)


昨年五月から長い休養期間を経て、本年7月12日に初ダートとなるプロキオンSにて復帰。
初ダートながら驚きの行きっぷりを見せて、結果は9着だったけどこれからまた元気に走る姿を見せてくれそうだと思っていた矢先の出来事。
最後のレースは今月23日の小倉日経OP、11番人気12着。

僕が競馬に対する興味がまだそれほど大きくなかった頃、06年5月7日、良馬場発表ながら雨の影響残る東京競馬場で行われたNHKマイルCでロジックが見せてくれた走りが、ぐんと僕の競馬への興味を大きくしてくれました。
前方で粘るファイングレインを懸命に追い、じりじりと差を詰め、一歩一歩諦めずに走り、結果クビ差での優勝。
感動しました、あの走りには。

次走となった日本ダービーでは11番人気の低評価を跳ね除けるように5着に好走。
感動しました、その走りには。


しかし、その後、その年の毎日王冠を5番人気で16着と惨敗して以降スランプに陥り、何度か好走するものの、15走してついに再度の栄光を勝ち取ることはありませんでした。


でもね。
テレビ越しにだけど、ずっと君のレースだけは必ず観てきて、とうとう念願の再び勝利する姿を見ることはなかったけれど、本当に楽しませていただきました。
競走馬の走る姿の美しさ。
レースの醍醐味、辛さ。不安と興奮と失望と感動と。
ロジックを追ってきたから、僕は僕なりの競馬観を持てました。
勝つ馬だけが、勝ち続ける馬だけが素晴らしいわけじゃない。
ありがとうございました。
そして、お疲れ様。

今後は京都競馬場で乗馬になるとのこと。
余生を健やかに、ロジック。
posted by 楽遊 at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2009年01月07日

先行

今年二年目の伊藤工真騎手、今年初騎乗・マイネルプエルトでいきなり勝利 ヽ(^▽^)丿
遠かった初勝利から、なかなか届かなかった二勝目――
と思ってたら次の騎乗機会・グラスゴッドで早くも今年二勝目!
窮屈な所を押し抜けて、最後はハナ差の差し切り! お見事でした。
去年を超えましたね。
苦労して、努力して、チャンスを作ってチャンスをもらって結果を出して。

今年、どれだけ活躍するか本当に楽しみ。
posted by 楽遊 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2008年10月27日

関東二人の同期騎手

10月25日(土)の全国ニュースでも取り上げられた、三浦皇成騎手の新人最多勝記録の更新! おめでとうございます。
87年に武豊騎手が作った記録を塗り替え、さらに現在も記録を伸ばしている最中。
素晴らしく、そして凄い。
新人離れした騎乗っぷり。重賞でも冷静に手綱を捌く精神力。子どもの頃から様々な習い事を通して馬を御す力を養ってきた計画性。背筋力は200kgあるそうです。
この先が本当に楽しみで、また楽しませてくれるだろうなと思わせられる騎手です。


その翌日には三浦騎手と同期の伊藤工真騎手が89戦目にして初勝利! おめでとうございます。
話題も勝ち星も同期が攫っていく中、焦りもあったでしょうが、この騎手も良い騎乗を見せてくれる新人騎手。
まだかなまだかなと騎乗回数と結果をチェックしていたけど、ようやくでした。
スタートダッシュはつかなかったけど、この後、どんどん成長して天才と呼ばれる三浦騎手と名実共に「ライバル対決」をしてくれる騎手になって欲しいです。
見るものとしては、そういう過程を観ていきたいし、魅せてくれると嬉しいですから。


10月11日の若手騎手戦で、先頭を走る三浦皇成騎手のファルカタリア(一番人気)に向けて後方から敢然と伊藤工真騎手のヤマニントップギア(三番人気)が追い込み急襲をかけていったときには手に汗握りましたもの。
結果は三浦・ファルカタリアがクビ差押さえて一着。
伊藤・ヤマニントップギアはメンバー最速のスパートを見せるも惜しくも二着。
このレースはこの二人の今後を期待させてくれる一戦でした。


さあ、楽しみ増えたなー。
posted by 楽遊 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2008年04月20日

群雄割拠

先週の桜花賞は12番人気のレジネッタが優勝して、ネットやテレビの色んなニュースで三連単の配当700万2920円と流れて。

今週の皐月賞は7番人気のキャプテントゥーレが優勝。
先週に比べれば穏当な結果だけど、1番人気のマイネルチャールズは3着に敗退。

今年のクラシック路線は抜けた馬が出てこなくて最後まで混戦模様になりそうですねー。


そして、その700万が出た先週、贔屓のお馬さんのロジックが走ってました。

福島民放杯 芝2000m 結果、12着。

……先週はもう謎の腹痛にやられるは、贔屓のお馬さん惨敗だわ…… orz

……うーん、にしても、ロジックにとって2000mは距離が長いのかな?
レースの映像見る限り、途中で止まっちゃっているような。
以前のレースで負かした相手が1200mや短距離で活躍してるから、もしかしてロジックも短距離の方が得意?
ダービー5着があるから2400mまでは大丈夫のように錯覚しちゃってるのか……。

次はどこでどのレースを走るのか。
陣営も色々工夫してくるだろうから、それを期待して待ってます。
posted by 楽遊 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2008年03月30日

中京とドバイにて

競馬の話。

本日開催された高松宮記念でファイングレインがG1初戴冠。
二着にはキンシャサノキセキ。
思い出の'06 NHKマイルCの2・3着馬のワンツー。
ファイングレインは骨折もあってなかなか結果を出せないでいたけど、スプリンター路線で開花。
キンシャサノキセキも今後は短距離で花を開いていきそう。
思い出のレースの思い入れのある二頭が揃って活躍してくれて嬉しいです。


そしてドバイではウオッカがデューティフリーで4着に好走。
最後の直線では一度先頭に立つ走り。
夢を見たー。
でも、負けてなお心を掴むレース。
ウオッカのレースは勝ち負けともかくこれがたまらない。
楽しかった!


体が熱くなった一日でした。
posted by 楽遊 at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2008年03月15日

もう、ちょい!

贔屓のお馬さん、ロジック。
本日出走のレースで4着。久々の掲示板。
3着とはクビ差で惜しい!
最後の直線では、前からは下がってくるヴィータローザ、右は内ラチ(柵)、左には並んで上がっていくマヤノライジン。
ああ、今日も行き場がなくて駄目かと思ったけれど、しかしヴィータローザとマヤノライジンの間、その狭いスペースに割って入って見せ場たっぷりの快走。
いやー、興奮したー!

何だか毎度毎度直線で前が詰まったり詰まりそうになったりと難儀なレースになっているけれど、そう、あんな風に場群を縫って駆け抜けてくる姿に惚れたんですよ。
上村騎手もお見事でした。
前回より着順も上がってるし、次また期待。


……しっかし馬体重絞れませんねぇ。また増えてて過去最大;
絞れたらもっと足が使えると思うから、もうちょっと暖かくなってからかな?
ダートなんかも面白いと思うんだけれども。
posted by 楽遊 at 16:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬

2008年03月09日

さよならは言わないで

サンアディユ、突然の訃報。

うわああああ、ショックだ……

僕にとって「ダートから芝に移って激変した」という瞬間を初めて見せてくれた馬で、その後のレースも含め、記憶に鮮烈に刻まれることになった名馬でした。


サンアディユ、安らかに。
posted by 楽遊 at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 競馬